「だから俺は、決してばれないようにミソラさまの様子を見守ってた」

「そうだったんだ・・・」

「プリンセスということを伏せているから、そこまで危険なことはないと思っていたが・・・。迂闊だった、すまない」




カイが申し訳ないように目を伏せる。
カイが謝ることなんてない。

私が、巻き込んでしまったも同然なんだから。
私だって迂闊だった。




「ごめんね、カイ・・・」

「心配するな。出て行く前に通信機でユキに緊急連絡を入れてる。おそらくフランに伝えてくれてるはずだ」

「ユキ・・・、お母さん?」



そっか。
お父さんはいないけど、お母さんなら城にいる。
グレンやノアや主要な騎士たちはいないけど、お母さん付きのフランも残ってるんだ。

なら、きっと大丈夫だよね。




「でも、あの人たちなにが目的なんだろう・・・」

「ああ・・・。それが問題なんだ。ミソラさまの正体は城下には知られていないはずだ」

「うん・・・」