いけない、戻らなきゃ!
そう思ったと気のはもう身体は傾いていて重力に従い落ちていく身体を感じた。



死を覚悟した瞬間、私の腕はカイによって掴まれ、私は崖に宙ぶらりんになる。




「っ」

「くっ」




カイが私の重みを片手で支え、苦しみに顔を歪める。
私は手を伸ばして両手でカイの腕を掴んだ。



「カイッ・・・」

「大丈夫だ、放すなよ!」




カイに励まされるように言われ、私は頷いた。
会によって引き上げられた私は、震える身体をカイに抱きしめてもらっていた。




「・・・っ、カイッ、ごめっ、ごめんなさいっ」

「無事でよかった。・・・はぁ」




カイもホッとしたように息を吐き、私の背中を優しく叩く。
カイに抱きしめられ、震えは少しずつ止まってくる。

怖かった。
本当に、死んでしまうかと思った。