「カイッ!」



カイは、服を血で赤く染め上げ、座り込んでいた。
身体を支え傷口を押さえる。




「カイ!」

「・・・っ、ミソラさま。ごめん・・・。俺は、・・・本当は、人を・・・守れるような奴じゃない・・・。俺の手は、・・・汚れてるんだ」

「カイ!喋らないで!お願い!」




カイの手が私の頬に触れる。
優しく撫でる手。




「カイ!おい!カイを城へ!」





騎士たちが、カイを連れて行く。
私はその後を必死で追った。



死なないで、カイ。




伝えたいことがあるの。





カイ、お願い。