「あ、あれ・・・?プリンセス?」




驚いたような声が聞こえる。
塀の下を見下ろすと、そこにはノエル。




「あ・・・」




カイがチラリとこちらを伺うように見た。
まさか、ここに来るなんて思ってなかったから。


そうだよね。
ソラとしてここに来た時も、ノエルはいることの方が多かったもん。
私がいない時にもここに来てもおかしくないんだ。


どうしよう・・・。




「プリンセスがこんなところでなにをしているんですか?」




距離を感じる。
仕方ないことなのに、寂しく感じちゃう。




「えと・・・、この場所落ち着くなぁって」

「ああ・・・。いいですよ、ここ」



ノエルはしみじみそう言って笑った。
知ってるよ。