「ミソラ、先に行こう」



お父さんが声をかける。
私は返事をしてお父さんについていく。


後ろ髪引かれながら。




歩いて行くその先に、今度はケイの姿を見つけた。
でもケイは、いつもの穏やかな表情ではなく、とても冷たい表情をしている。



ケイ・・・?




笑顔あふれる人たちの中、一人だけぽつんと冷たい瞳で私たちの列を見つめていた。





私は、声をかけることもできずその横を通り過ぎて行った。
いったい、どうしたんだろう。




ケイじゃないみたいだ。