テーブルの上には、飲み物やたくさんのお菓子などが並べられていた。それを4人が囲む形で集まっている。

「ハロウィンパーティ開始~♪」

 ひとみの声と共に、どこかで雷が鳴った。
 普段は雷も怖がる彼女だが、今日は待ちに待ったハロウィン。この日のために色んな準備を進めてきた。なにが何でも楽しみたいという気持ちから、意地でも雷は聞こえない振りしているのだろう。にこやかに進行を進めていく。

「ではぁ、イベントを始めましょお~! じつは3階のとある教室に、ひとみちゃん自慢の美味しい手作りパンプキンパイが隠してあるの! 焼きたての自信作だよぅ! えへっ♪ それを探してきてくれる人を決めま~す‼」

 どうやって? 3人が顔を見合す。

「ロシアンルーレット~!」

 じゃーん! と嬉しそうにみんなの前に手を差し出した。広げた手のひらには、4つのキャンディ。

「ハロウィンといえばキャンディ! この4つのキャンディ3つは美味しいパイン飴なんだけど、残りの一つ……なんと面白い味がするの~! パンプキンパイを捜しにいってもらう人は、その面白い味が当たった人ねっ」

「お、面白い味?」

 おっかなびっくり、ひとみの手の平に置かれた4つの飴を見る3人。

「みんな好きなのそれぞれ取ってね! 私は最後に残ったのでいいよぉ~」 

 一見どこから見ても同じ色、同じ見た目で、どれが「面白い味」とやらなのか分からなかった。
 それを顔を見合わせながら、おそるおそる1個ずつ手に取る。

「いっせーのせ! で、みんなで口に入れようねっ」

 各自、キャンディを包むラップをはがし飴を指につまんだ。
 ドキドキドキ。
 「面白い味」があたったらどうしよう。
 妙な緊張感が4人を包む。

「いくよ~いっせーのせっ!」

 ひとみの声と共に、各自飴を口に入れた。