ハロウィン・パーティー!?~ゾンバス番外編~

「だいたい俺の女なんだから勝手に触んな」

 聖が吐き捨てるようにいう。

「誰が、誰の女、だって……?」

 不機嫌そうな声。
 聖も和己も声をしたほうを振り向く。 
 ゆっくりと上半身を起こした明美が不機嫌そうに、こちらを睨んでいた。

「大丈夫か!?」

 聖が駆け寄る。

「体、どこも痛くないか? 調子は悪くないのか?」

「……平気だよ」

 心配そうにあちこちをキョロキョロ見渡している聖に、ため息をつきながら明美が返す。 

「で? 誰が誰といつキスしたって?」

「もちろん俺と明美ちゃんでしょ! ホラ、出会ってすぐにしたでしょ!」

 私、聖とキスなんかしたっけ?
 そんなことあるはずないと明美が首をひねる。

「明美に飛び掛って、顔中にキスしたじゃん!」

 もしかして、出会ってすぐの狼の聖に顔中を舐められたときのことをいってる?
 はっ! なんだそんなことか。
 獣型の聖に舐め回されたところで、あんなのキスのうちに入らない。
 内心ほっとした。

「いっておくけど、私は誰の女でもないから」

 きっぱりと否定。

「きゅうん……」

 うなだれるように聖が肩を落とす。

「これからの予定は?」

 柔らかな笑みを浮かべながら手を差し伸べる和己に、手を伸ばし引っ張っぱり起こしてもらう。

「朝食を取ったらすぐに出かける」