6月5日



「うー…、すまない八桐」

「別にいいんだけどさ。」

まだ顔から熱が引かない。

だから嫌なんだ、体育祭なんて。

ほとんどの競技が、といっても私が出るのは3競技だけだが午前中に終わるようになっているためそろそろ復活しないといけない。

八桐にとってもらったスポーツドリンクで喉を潤しクールダウン。

八桐は今日大活躍している。

「八桐はいいな、運動できて」

「日頃から鍛えてるからね。若ちゃんの100m走は酷かったけど」

「しょうがないだろ。肺活量も体力もないんだよ。」

「まあ、無理せずここで俺の活躍見ててよ。結構すごいんだから」

「ばーか。もうずっと見てるよ。最早見る専なレベル。動きたくない」

「ははっ、じゃあ行ってくる」

「ん、頑張れ」

椅子にもたれて冷たいペットボトルを頬に当てる。

午前はあと競技1つ。

あとちょっと頑張れ、私。