5月22日



だからこの暑いなかいちゃつくカップルなんなのって思ってたら、やっぱり葉月たちだった。

そして例のごとくそこまでいちゃついてはいなかった。

気温と雨上がりの湿度のせいで、些細なことにも苛立ってしまう自分が嫌だ。

葉月が恋人といちゃついているのは、些細なことかな。

気を取り直してはやあるきに、二組の教室前を通過する。

6月からはエアコンが稼働するから、この情緒不安定も、もう少し改善できると信じたい。

竹野さんは応援団をやってるみたいだ。

教室からでて、私の横を小走りに通りすぎていく。

なら、葉月は待つのか。

1時間30分の応援団練習時間を、竹野さんのためにわざわざ待つんだ。

目の前が淡く発光する。

白く瞬いて、廊下の壁に手をついた。

「大丈夫」

呟いて、歩き出す。

今日の練習場所は中庭だ。

みんなはスカートの下にジャージだから移動が早いけど、着替えをする私はいつも最後の方の集合になる。

少し急いだ方がいいかもしれない。