4月30日



LIMEのメッセージは4月14日で止まっていた。

気づけば半月ほどがたち、もう4月は終わろうとしている。

日差しのきつい日が増えて、ネクタイを緩めた。

となりにいた真綾が、それをみてクスリと笑った。

「今日暑いもんね。このまえまではまだ中にカーディガン着てたいくらいだったけど」

「今週終われば、ゴールデンウィークだもんなー。もう5月か」

「先輩の話だとそろそろ体育祭の応援団練習始めるって」

「この暑いのに」

町の中心の繁華街がある駅から、1駅。

学校の最寄り駅から、登校する生徒の列に従って歩く。

「それにさきに中間テストだよー」

斜め下の横顔には、猫のヘアピンのリボンがゆれている。

慣れてきた二人の距離。

隣には真綾がいる。

あるようなないような微妙な違和感。

別に楓とも並んで歩くわけではないから、関係はない。