「お願いされてるんだよ。心配性なその子は、恋する乙女が惑わされているのが不安でしょうがないらしい」

「それが今日の質問?」

「そう。デートの詳細と今後について」

楓は泰然と足を組んで背もたれに寄りかかる。

この決着に、秘密も隠し事もNGだ。

俺たちは真実にしか価値がないと知っているから。

「駅の最近できたところ、モール・バルコニーに行ったよ。二人でぶらぶらして、竹野のヘアピン選んで、クレープ食べて、楓にあげたやつえらんだだけ。」

「へー、普通だね」

「そんで、……帰り際に告白された。まだ返事はしてないけど」

「え、まじか。竹野さん勇気あるね。君は女々しいけど。」

楓は俺が告白されたと聞いても、調子は変わらない。

びっくりしたのも、竹野の告白の時期の早さに驚いただけと言った様子だ。

それが癪に障る。