4月14日
集中できない。
楓が着々とトランプを集めるのに、俺の方にはなかなか貯まらない。
いろんなところで思考が泡のように浮かび上がっては、檻のように沈んでいく。
そんな繰り返しで、目の前のカードの数字も覚えていないなんて、散々だ。
楓の記憶力がいいのもあると思うが。
あっというまに負けてしまう。
楓は肩透かしをくらったみたいな顔でいぶかしんでる。
それもそうだろうけど。
「弱いね、葉月」
「舌打ちでもしたいところだけど、今日は実際に激弱だった自覚があるから、なんも言えん」
「悩みかね。しかも…恋の悩みとみた。」
「…お前色々知ってるだろ」
「君が昨日、同じクラスの竹野真綾とデートしたこと以外は知らないよ。」
「おい」
「…二人の出会いは入試終わりの駅のホームなことと、竹野真綾が中学時代吹奏楽部の副部長を勤めていたことと、自分の見た目が幼いことを気にしてうちのクラスの小鳥遊莉緒みたいになりたいって思ってることしかしらないよ」
「長い上に後半は俺が初耳だよ」
集中できない。
楓が着々とトランプを集めるのに、俺の方にはなかなか貯まらない。
いろんなところで思考が泡のように浮かび上がっては、檻のように沈んでいく。
そんな繰り返しで、目の前のカードの数字も覚えていないなんて、散々だ。
楓の記憶力がいいのもあると思うが。
あっというまに負けてしまう。
楓は肩透かしをくらったみたいな顔でいぶかしんでる。
それもそうだろうけど。
「弱いね、葉月」
「舌打ちでもしたいところだけど、今日は実際に激弱だった自覚があるから、なんも言えん」
「悩みかね。しかも…恋の悩みとみた。」
「…お前色々知ってるだろ」
「君が昨日、同じクラスの竹野真綾とデートしたこと以外は知らないよ。」
「おい」
「…二人の出会いは入試終わりの駅のホームなことと、竹野真綾が中学時代吹奏楽部の副部長を勤めていたことと、自分の見た目が幼いことを気にしてうちのクラスの小鳥遊莉緒みたいになりたいって思ってることしかしらないよ」
「長い上に後半は俺が初耳だよ」

