足早に帰ってきた葉月は、水色の紙袋を持っている。
駅前のショッピングモールに入っている、有名なパティスリーのものだ。
「ん、これ」
葉月はそれをずいっと私の前につき出す。
「え、なんだい」
「前言ってたろ、三倍返しって。渡し忘れるとこだった」
「…………………あ」
やっと思い出した私にそれを受け取らせて、手早くカードをオープンする。
すぐにそれを伏せて、私の番へ。
少し覚束ない手で私もカードをオープンする。
まさか、覚えているとは思わなかった。
むしろ私が忘れていた。
ホワイトデーのお返し。
日にちも三倍返しも守るなんて、アホほど律儀だ。
神経衰弱をつづけながらも、紙袋を開く。
中にはプラスチックの透明な箱にマカロンが三つ並んでいる。
平べったい普通のマカロンではなく、そのお店の売りのデコレーションされたものだ。
厚く絞られたクリームを色とりどりのアラザンやコンフィズリー、チョコレートが飾っている。
「可愛い…」
思わず感嘆の声をあげると葉月が笑った。
「なんだよ」
「いや、楓でも可愛いの好きなんだなーって思っただけ」
「馬鹿にしてるね?」
「してないしてない」
「まったく、君の中で私がどういうイメージなのか一度じっくり問いただす必要がありそうだよ。」
駅前のショッピングモールに入っている、有名なパティスリーのものだ。
「ん、これ」
葉月はそれをずいっと私の前につき出す。
「え、なんだい」
「前言ってたろ、三倍返しって。渡し忘れるとこだった」
「…………………あ」
やっと思い出した私にそれを受け取らせて、手早くカードをオープンする。
すぐにそれを伏せて、私の番へ。
少し覚束ない手で私もカードをオープンする。
まさか、覚えているとは思わなかった。
むしろ私が忘れていた。
ホワイトデーのお返し。
日にちも三倍返しも守るなんて、アホほど律儀だ。
神経衰弱をつづけながらも、紙袋を開く。
中にはプラスチックの透明な箱にマカロンが三つ並んでいる。
平べったい普通のマカロンではなく、そのお店の売りのデコレーションされたものだ。
厚く絞られたクリームを色とりどりのアラザンやコンフィズリー、チョコレートが飾っている。
「可愛い…」
思わず感嘆の声をあげると葉月が笑った。
「なんだよ」
「いや、楓でも可愛いの好きなんだなーって思っただけ」
「馬鹿にしてるね?」
「してないしてない」
「まったく、君の中で私がどういうイメージなのか一度じっくり問いただす必要がありそうだよ。」

