8月とメープルシロップの相性

嫉妬みたいな恥ずかしいことは、できうる限りしたくないと思う。

ベッドに倒れて、枕へ顔をうずめる。

今頃葉月はデートだ。

それはあまりにあからさまだ。

私が葉月のことを好きと、言っているようなものじゃないか。

バカみたい。

七つの大罪でありながら、多くの人がそれを飲み干して溺れても許されている。

可愛い女の子に嫉妬されるなんていうのは男の子冥利につきる、みたいな。

焼きもちともいう。

でもやっぱりほら、可愛い女の子にやいてもらうから嬉しいというものだろう。

私では嬉しさも半減といったところだ。

そもそも嫉妬など、していないし。

机の上に転がしていたスマホをつかみ、電話をかける。

『はーい、花夜だよ。どしたの、かえちゃん』

「わー、久しぶりだね。」

『そんなにたってないけどね。春休み大体私の家きてたじゃん』

「まあまあ、それでも一週間会わないとか、夏休み並みだよ」

『うん?今から家くるの?』

「あー、今日は行かない」

『なぁんだ。』

「うん。きてほしかったの?」

『まあ、そうかな。この喜びを誰かに伝えたいとは思う。』

「何か会ったの?」

『運命を信じますかってお話かな』

「宗教?」

『愛しい人に会えましたって話』

「え、ちょっとまて。花夜が?」

『そうです。』

「私と葉月と以外は全くしゃべらないせいで、クラスメイトに名前読み間違えられる花夜に春が?」

『ふふっ、まあ、春はこないけどね』

花夜と長電話して、今日は何にもないまま夜を迎えた。