葉月のすごいところは求心力だと思う。

ボーリングにいく大所帯の後ろを駅へと進む。

学校から歩いて20分の駅近くに、ボーリングもカラオケもある。

繁華街まで道は同じだ。

大所帯故の牛歩に合わせて、付かず離れずの距離を進む。

後ろからみると葉月を囲むように人だかりが密になり、頭と頭の壁を縫ってわずかに葉月を見つけられる。

背の高い男子生徒と、中学がおんなじだった柊雪仁との間に見慣れた黒髪がのぞく。

勿論葉月は私たちに気づいていないし、振り返ることもない。

姿を追うように視線をさ迷わせる。

「…かえちゃん、やっぱりボーリング行くとかいわないよね」

「え、は?え、なんで」

「なんかめっちゃ、気にしてるから」

「いやぁ、気にしてないよ?」

嘘だけど。