4月8日
ジェンガの箱の口をきれいにとじたまま、葉月は上目遣いでこちらを見て、そして口を開く。
「あー、じゃあ、えっと楓、質問するよ」
「今で平気か?」
ちらりと伺うように八桐をみる。
八桐は少し離れたところで机をもとに並べ直していた。
「大丈夫、そんな重大なことじゃないし、むしろホウキではいてゴミ箱行きでもかまわない些末なことなんだが…」
「歯切れが悪いな、聞くなら聞いてよ」
葉月は頭を乱暴に掻いて、それからあからさまに質問する内容を変えたのがわかった。
火を見るより明らかに、言い渋っていたはずなのにさらりと言葉にする。
「1組の可愛い女子についてでいい。彼氏のいるかいないかを詳しく添えて」
「本当にその質問でいいの?」
「…………………いいよ?」
葉月は数秒迷ったのち、さも当たり前のように頷く。
「じゃあLIMEで詳しく送る」
「ん、了解」
八桐の手伝いに動き始める葉月の背を見送りながら、聞こえないようつぶやいた。
「嘘つき」
ジェンガの箱の口をきれいにとじたまま、葉月は上目遣いでこちらを見て、そして口を開く。
「あー、じゃあ、えっと楓、質問するよ」
「今で平気か?」
ちらりと伺うように八桐をみる。
八桐は少し離れたところで机をもとに並べ直していた。
「大丈夫、そんな重大なことじゃないし、むしろホウキではいてゴミ箱行きでもかまわない些末なことなんだが…」
「歯切れが悪いな、聞くなら聞いてよ」
葉月は頭を乱暴に掻いて、それからあからさまに質問する内容を変えたのがわかった。
火を見るより明らかに、言い渋っていたはずなのにさらりと言葉にする。
「1組の可愛い女子についてでいい。彼氏のいるかいないかを詳しく添えて」
「本当にその質問でいいの?」
「…………………いいよ?」
葉月は数秒迷ったのち、さも当たり前のように頷く。
「じゃあLIMEで詳しく送る」
「ん、了解」
八桐の手伝いに動き始める葉月の背を見送りながら、聞こえないようつぶやいた。
「嘘つき」