結局、この前の勝利は1組の女子について聞くことに使ってしまった。

リア充グループのリーダーみたいな人、大山侑真が彼女が欲しいと言っていたのだ。

だから侑真が付き合いたくなるような女子がいると、1組の可愛い女の子について教えた。

楓の教えてくれてた通り、恋人のいない少し派手目な可愛い女の子と侑真は付き合い始めた。

早すぎて笑ってしまいそうだが、高校生マジックだろう。

そういうお年頃っことだ。

そしてこの高校生マジックによって、俺にもモテ期とやらがきたみたいだ。

LIMEのクラスグループに登録したら、個人の申請をしてきた。

竹野真綾さん。

取り急ぎ、デートに誘われてみた。


俺たちはきっと、勝っても負けても少しずつずれていく。

何故ならそういう風に走り出してしまったから。

互いを止めることはできないから、目指す先は同じだと信じるほかない。

だから俺たちはずれていく。