積み重ね終わったジェンガをまえに、楓がこっちを見て、それから八桐をみる。

「まあ、後でいいだろ。」

「次は俺も入れてー」

八桐は能天気に言ってくれる。

楓は俺の言葉に控えめに頷き、今度は八桐を交えてジェンガをはじめた。

侵入者とも言える八桐。

中学のとき、俺と楓の間には花夜以外はいなかった。

そういえば花夜でさえ、俺たちのゲームに参加したことはなかった。

排他的。

放課後に集まるのも、教室にだれもいないことを確認してからだったし、誰かいたらその日は諦めるくらいだ。

なぜ、高校に入ってからそのルールが壊れたのかと気にしてから、自分のバカに気づく。

俺のちょっとした嫉妬だった。