「明日からもう授業はじまるってな。はやく抜けよ」
「選んでるんだよ」
「1、2時間目だけロングホームルームであとはそう」
「葉月、抜けるとこないよ」
「あんまり触ると余計あぶないよ若ちゃん」
「え、そこはやめとけよ」
「ここが一番抜けそう…」
真ん中あたりの既に三本のうち、端の一本を引き抜かれているもう片方に爪をかちかつと当てる。
多少動くが、同時に塔そのものも揺れた。
「うそうそうそっ」
楓があわてて手を離すと、ゆっくりと静止した。
「もうとれるとこないよ」
「いや、潔く倒してくれよ」
「絶対いや」
楓は諦め悪く、先とはちがうジェンガを指先で確かめるように触れる。
やがて、
大きな音を上げて、塔はくずれた。
「選んでるんだよ」
「1、2時間目だけロングホームルームであとはそう」
「葉月、抜けるとこないよ」
「あんまり触ると余計あぶないよ若ちゃん」
「え、そこはやめとけよ」
「ここが一番抜けそう…」
真ん中あたりの既に三本のうち、端の一本を引き抜かれているもう片方に爪をかちかつと当てる。
多少動くが、同時に塔そのものも揺れた。
「うそうそうそっ」
楓があわてて手を離すと、ゆっくりと静止した。
「もうとれるとこないよ」
「いや、潔く倒してくれよ」
「絶対いや」
楓は諦め悪く、先とはちがうジェンガを指先で確かめるように触れる。
やがて、
大きな音を上げて、塔はくずれた。

