1日かけての実力テストが終わってから、ゆっくりと帰りの支度をする。

まあまあの進学校ともあって、クラスの交流的なのより先にテストで、流石と思わず呆れてしまう。

出席番号順の席で回りの人の顔と名前を一致させるのがやっとだった。

それでも何人かの仲のいいグループが出来上がってくるもので、俺も少しだけそれに参加してから教室を出た。

2組は人が疎らに残っていたが、1組はもうすでに楓と、もう一人しかいない。

昨日より髪の色が明るくなっていたので、わからなかったがもう一人は昨日少しだけ話した八桐だ。

教室の前のドアから覗きながら入ると、先に楓が気がついた。

「あ、葉月」

「よぉ」

それに八桐も振り向く。

「おう、…葉月」

「そう、西野葉月。かくいうお前は八桐夏輝な」

「すまん、ちょっといろんな奴とまざりかけた。」

「まあまだ二日目だしな。俺もクラスの半分もおぼえてないし。」

言いながら楓の机に、隣の机をくっつける。

楓はニコニコしながら鞄からジェンガの細長い箱をだした。

言葉を交えずに、楓とのゲームのフィールドを作ると、八桐がきょとんとした顔になる。

それから気がついたように、あわてて椅子をうごかした。