でも。

中学三年の冬。

これが冬休み前最後のゲームになる。

休み明けからは本格的に受験勉強で、暫くはプレイできなくなる。

本当は決まっている質問をいいよどんで、聞くのをやめかけて、それでやっと聞く。

「……じゃあ、聞くこともないから君の進路について、教えてよ」

「進路?そんなんでいいの」

「今は特に相談もないからね」

「俺は藤森西にいくよ」

「へー、あんまり近くじゃないんだね」

「まあ、ね」

「お前は?」

「………内緒」

「あっそ」

文句ありげに話を打ち切り、葉月は席を立つ。

もう外は真っ暗だ。

冬の夜は早いから。