4月8日



机の上のスマートフォンが震えて、メッセージが届いたと表示される。

楓からだった。

すぐには開かないで、制服のネクタイを結ぶ。

春休みの間に何度も練習していたがやはり、一発で結ぶことはできず、二回ほどやり直した。

それからやっとそのメッセージを開く。

鞄を背負って、部屋からでながら返事をうつ。

<楓 第一回戦といこうか>
<葉月 ぉk、放課後お前のクラスな>

送った瞬間に既読がついた。

五分ほど間があったのに、ずっと開きっぱなしだったのかと、少しおかしな感じだ。

<楓 待ってる>

そのメッセージを見てからやっと重たい腰を玄関からひきはがした。