そんなこんなで、近くの席の男子と友達になっている間に入学式が始まった。

(出席番号が男子の連続してるところで良かったと思う。ちなみに隣の席の女子には軽く引かれたからフォロー程度に自己紹介しといた。永守杏菜ちゃん)

1組から順に名前を呼ばれて起立する。その最後に楓の名前が呼ばれて振り向くけれど、他の人間に阻まれていて、見えるはずもなかった。

柊が小声で「どうかした…?」と聞いてきて、俺は首を左右にふって答えた。

「以上39名、1組着席」

「二組」

前から順に名前を呼ばれていく。

そして俺の番になって。

「はいっ」

声はちゃんと響いたろうか。

楓はいまどこをみているだろうか。