暫く話してから自分の席に座った。

二組の30番。

なかなか悪くない番号だ。

悪い番号っていうのもそんなにないけれど。

席の後ろは同じ中学だった柊だ。

「よっす」

「おひさ」

柊雪仁は女装がすごく似合いそうな男子だ。

女子の先輩方にめっちゃ可愛がられるタイプの。

本人にいうと怒るし、それを気にして目が悪いわけでもないのにメガネをかけているところが余計人気のタネだ。

「どうだ?今度は彼女つくれそうか」

中学のとき、何度か柊の相談に乗ったことがある。

「うん、うちのクラスは全体的にレベルが高いね。入学式だからそんなに髪染めてるのがいないっていうのもあるけど、ギャルっぽいのがあんまりいないし。足がきれいな子が多い」

柊は笑顔のまま淡々と感想をのべる。

慣れてればどうってことないが、柊は可愛い顔してるが普通にスケベだ。

だが、こういう話をしてれば男子は食いつく。

「わかるわ。俺、七村中の橋本葵な。よろしくついでに俺のおすすめは21番の杉原渚。太もものむっちり感と足首の細さが神がかってる」

「まじか、あとでチェックしとく」

「柊…」