8月とメープルシロップの相性

「あ、楓」

八桐と談笑していると、後ろから声をかけられる。

葉月。

「1組か」

「あー、うん」

葉月の顔を見ると、卒業アルバムを思い出して、顔がまた熱くなりそうだった。

控えめに深呼吸をする。

「君は二組だったね」

「ああ、うん、そこ。」

葉月は少しまえにある空いたパイプイスを指差した。

そこで置いてきぼりになっている八桐を葉月に紹介しておく。

「八桐、こっちは中学の同級生」

「どうも、西野葉月でっす」

「八桐夏輝。夏輝でよろしく」

二人とも軽い調子で挨拶して、お互いの顔をのぞきこむ。

「第一ともだちだよ。すごいだろ?」

「驚きのコミュ力だな」