8月とメープルシロップの相性

他の女子とは一線を引いた、やや男っぽい口調で。

間違っても気があると、媚を売っていると思われてはならないからだ。

「八桐でいいかな?」

「いっそ夏輝でもいんだけど。」

「それだと、ほら。さっきのかわいい二人に悪いだろ。どっちか彼女だったりしないのか。見たところ同中だったから」

「んー、いや、俺、彼女いないの。彼女いない歴=年齢な今日この頃だから」

「へえ、でもモテたろ」

「そこそこ、な。自分でも否定できない程度には告白されたことあるし」

「うわ、うらやまし」

「うわー、恥ずかしー」

クスクスと笑いあって、それからまた話し出す。

見た目通りの好青年って感じで、話し上手に聞き上手だ。

「いままで部活一筋だったからさー」

「何部だったの」

「バスケ部」

「へー、ちょっと意外。見た目の雰囲気的に勝手にサッカー部だと思ってた。」

「見た目で判断しちゃだめだよ」