4月2日。



制服を取りに行ってきた。

高校の入学式まであと五日となり、説明会で出された課題も終わってしまった。

流石進学校というだけあって、課題は結構な量で、数学に至っては課題で1単元が終わってしまうほどだった。

入学式翌日にはテストがあるようなので、その予習もかねているのだろう。

手提げのついた平べったい箱は、回りが丁寧にセロハンテープでとじられている。

爪ではがすのをすぐに諦めて、ふたと身の隙間にハサミをねじこんでひらく。

綺麗に畳まれた紺のブレザー、ベスト、スカート。

校章の描かれたカフスボタン以外なんの特徴もない地味な制服に袖を通す。

中学のセーラーとは全くちがうそれに大人を感じた。

葉月もブレザーだ。

学ランの、あの襟のつまった感じや、醸し出す独特の幼さもよかったけれど。

想像ができない。

ブレザーで、ネクタイをしめる葉月。

つい、くすりと笑ってしまう。

それから鏡のまえで一回転。

高校生になるならみつあみはやめようか。

染めたりはしないけれど、イメチェンはしてみたい。