3月14日
卒業式前日になって、やっと登校してきた楓は腹が立つくらい元気だ。
女子に囲まれながらわいわいと忙しい。
たまに席から立って男子のところにも行き2、3言葉を交わしている。
お互い友達がいるから、やはり俺たちが話すのは、放課後だ。
「おい、インフルエンザ」
「なんだい、葉月」
放課後になってやっと話しかけられたけれど、教室の外では俺の友達が待っている。
俺は卒業アルバムを楓に差し出した。楓はいたって普通に受け取り当たり前のようにかきはじめる。
その様子を見てこの前の、何度でもの言葉は忘れてしまったんだろうなと思う。
《君が望むなら何度でも》
と、約束にも似た言葉だったのにあれから一度も二人で遊ぶことなく終わってしまうのだ。
卒業式前日になって、やっと登校してきた楓は腹が立つくらい元気だ。
女子に囲まれながらわいわいと忙しい。
たまに席から立って男子のところにも行き2、3言葉を交わしている。
お互い友達がいるから、やはり俺たちが話すのは、放課後だ。
「おい、インフルエンザ」
「なんだい、葉月」
放課後になってやっと話しかけられたけれど、教室の外では俺の友達が待っている。
俺は卒業アルバムを楓に差し出した。楓はいたって普通に受け取り当たり前のようにかきはじめる。
その様子を見てこの前の、何度でもの言葉は忘れてしまったんだろうなと思う。
《君が望むなら何度でも》
と、約束にも似た言葉だったのにあれから一度も二人で遊ぶことなく終わってしまうのだ。

