6月7日



真綾に今日は一緒に帰れないと断られたこの日。

ただ帰る気にもならずだらだらと教室で時間を潰していた。

誰かしら残ってはいるもので、松本たちとトランプで遊ぶ。

楓とゲームするためにもってきていたものだが、使われないまま放置してしまっていた。

小休止にトイレへいった帰り道。

何の気なしにみた裏庭のベンチに、真綾と楓が並んで座っていた。

ここから声は聞こえず、話す様子も分かりにくいが、真綾が泣いているようにみえた。

駆けていって慰めた方がいいのだろうが、向かう先は教室だ。

冷たいんじゃなくて、相手が楓だから、だと思いたい。

楓なら傷つけたくて吐いた言葉じゃなくて、真実を言っただけなのだろう。

楓はそういうことはしないと信じている。

真綾が何を聞いたかは気になるところだが、まあ、きっと行かなくて平気だ。

一緒に帰れないといわれたのだから、知らないふりをしておこう。