今までアンバランスな気持ちになれば野球に没頭することができた。
さて、
今の俺はどうすればいいんだろう。
この肩が治らない限り俺の気持ちはバランスを崩していく一方だ。
「俺はいいと思うけどな〜」
突然妙に明るい声がした。庄吾だ。
「何がだよ?わかってんのー?」
相変わらず窓の外を眺めていると。
「だから、俺はいいと思うよ。野球に縛られてないお前も」
ふと振り返り俺を見つめた庄吾を見ると
、庄吾の瞳には他の誰かが写っているよ
うに見えた。
庄吾は少しだけ理解したのかもしれない。俺が思っていたことに。
「せっかく野球を休んでんだ。他に大切なものでも見つけてこい」
無邪気な笑顔を見せた庄吾は、いつの間にか居なくなっていた結衣子の後を追うようにどこかへ行ってしまった。
