「別に何もねえよ」
ため息混じりの声でそう返すと
不思議そうに眉を寄せるする二人。
「律が野球以外のことで悩む事なんてないと思ってたけど」
「いくら野球バカでもそれはないんじゃない?律にだって好きな女の子くらいいるわよ」
庄吾の言葉を聞き流していた俺だったが
結衣子の言葉は聞き流すことができなか
った。
ドキっと胸が鳴ったかと思うと頭に浮か
ぶのはチイの可愛らしい笑顔。
「………ぇ、り つ?」
予想外の反応だったのか結衣子が珍しく動揺していた。
そんな面食らったような顔されたら俺までビックリしてくるだろ。
そんなことを思いながらも冷静を装う。
「………なんだよ?」
