この時、 俺は本気で諦めたくないと思った。 俺の隣にいた彼女が口を開く。 「ねえ、律くんは野球好き?」 その声は微かに震えていた。 「…あぁ、好きだよ」 俺はそう答えらずにはいられなかった。 もちろんこれは本音で。 それよりも君を泣かせでしまいそうで 怖かった。 「じゃあっ、辞めないで! 野球辞めないで!!」