「勇太妹元気?」

「よく覚えてんな!元気元気今年小学校入ったよ」

「え、もう小学生?!うちらも年取った〜…」

「担任だれ?まだ佐藤先生たちいるの?」

「佐藤先生懐かしい!会いたい!」


日菜子ちゃん遥ちゃん、そして片岡君が同じ小学校だったらしく、私と、青木君と中川君は、その中に入れず。

三人の話に割り込もうとかはできないけど、うんうんと話をきいているがそろそろ本当に身内ばなしになってきてつら…


「赤坂さんてさあ、」

「っ、はい」

完全に油断していたため、変な声がでてしまい思わず口を手で隠してしまったわたし。


「声ひっくり返ったね、そんなびっくりしないでよ」

笑いを堪えながらそんなこと言わないで…余計恥ずかしいから!


「ごめんてば。赤坂さん市外てどこから来たの?」

たぶん悪いとはこれぽちも思ってないんだろうなというくらいの素晴らしい笑顔だ。悪い気はしない、きれいなえがお。

「咲田…。」

「まじで?優哉と一緒じゃんか。」

「え、」

「俺は知ってたよ」

え?!

地元が同じことよりも青木君が私のことを認識していたことの方に驚きだ。

「青葉でしょ?最寄り。」

あってる。一ヶ月近く席前後だけど、話したこととか全くないのに、よくみてるな…

「いいなー電車通学!おれも電車が良かった」

「良いことないよ別に。」

真顔で、朝早く起きなきゃいけないし…とか言うから、少し親近感。
一時間に一本とか、そんな感じでしか電車が走ってないし、青木君がどこの駅から乗ってるのか知らないけれど、咲田から学校のある浅見までは1時間近くかかる。

「中川君は、どうやって来てるの?」

「おれ?毎日チャリ30分漕いでる」

「恭輔んち学校の真裏だよ。」

「バラすのはえぇよ!
…うちの家、クラスの窓から見えるぜ」