「…なんか質問とか、ある?」

自己紹介なんて一人10秒もあれば終わっちゃうもんで、あっというまにおわってしまった。たいして言うこともないしまあ仕方のないことだけど、この状況の切り抜け方を…

なんて思ってたところに口を開いたのは片岡くん。

「あ、じゃあおれ質問ある!
赤坂さんて、ハーフってまじ?」

「あ、それ俺も気になってた。女子が噂してたけど本当?」


…平和すぎて忘れていた、自分の見た目。
のってきた中川くんとふってきた片岡くんはわたしの顔をまじまじとみてきて、すこしいづらかった。

「うん、ほんとうです…」

茶色がかった髪に薄い瞳の色、顔の作りはお父さんの血が勝ったのか外人のような深い彫りのある顔ではないが、日本人とは少し違う独特の顔。
ばれても仕方ない、隠す方法もしらないし。

「それ以上みたらお金取るよ片岡と中川」

「1人10億円で!」

俯いたときだった。日菜子ちゃんと遥ちゃんがそんなことをいって二人の目から逃がしてくれたのは。

「わりっ、珍しいからついさ」

ごめんな?と謝ってくれる二人。

助け舟を出してくれる人が側にいることに感動すると同時に、こんな風に謝ってくれる人もいるんだなあと嬉しくなった。