「オジサン、ウチの学校の子に手ェ出さないでくれる??」
「先生―……」
オッサンはチッと舌打ちすると、別の車両にそそくさと逃げていった。
「おーい。辻宮もちゃんと女子高生してるんだな。俺ァ安心した」
「…………普通、『大丈夫だったか??』とかでしょ」
「だってそんなセリフ似合わねーしーぃ」
口を尖らせた先生が可愛くて、思わず背伸びをして頭をくしゃくしゃと撫でる。
「ありがとーございます♪」
「どーいたしまして。ってか俺、ガキじゃん??」
「だって可愛かったんだもん☆」
歯を見せて笑った私に先生は不貞腐れた顔をして座席に戻った。
「あ。辻宮、横あいてるぞ~」
自分の鞄をどけながら先生がのんびりと空いた車内によく通る声で言う。
私は窓の外のモコモコと綿飴みたいな雲を浮かべた青空を見つめてから頷いた。
本日晴天の模様―……♪
