『もしかしてアイ、私の後ろにいる??』
『正確には後ろの座席♪』
『いや、いや。教師が遅刻とかマジでダメでしょ。奥にどやされるよ』
『だって、セバスチャンが……(;_;)』
『誰だよ、セバスチャンって(-0-)/ )°3°)』
『俺の飼ってるウーパールーパー。ってか、実は俺も寝坊』
『ネーミングセンス悪ッ!!しかも寝坊!?』

その時、私は背後にゾワッとした感覚を覚えた。
正確に言うと、スカートの上に。


痴漢―……ッ!?


混んでいるせいでどうすることもできずに、私は悪あがき程度に少し体をずらす。

嘘。

ヤダ―……ッ!!



涙目で強く目を閉じた瞬間、プシュゥ~…と間の抜けた音がして、電車のドアが開いた。



あ……。
着いたんだ、降りれる―……!!

一回降りて次の電車に乗ればいいし!!

降りようとした私は手首に鈍い痛みを感じて顔をしかめる。
だいぶ空いたおかげで動けるようになった。
顔を後ろに向けると、50歳くらいのあきらかにエロそうなオッサンがニヤニヤしながら私の手首を握っている。

「ちょ―……ッ」

私がオッサンに抵抗しようと身をよじった時、大きな綺麗な手がオッサンの手首を掴んだ。


「え―……??」


呆然と視線を上に向けると、