『明日は始業式だし、ちゃんと英語の宿題やってこいよー』
『まだやってない!!』

今日はついに8/31学生達が最もがっかりする日ではないだろうか??

クーラーの効いた部屋で私は宿題に向かって…ではなく、パソコンに向かってHpの更新をする。
最近始めたHp。
なんか、友達も増えて楽しい♪

「えっと、英語の宿題って……なにこれッ!!」

プリントを見た私は噴き出す。

≪英語科 先生に英語で手紙を書いてくる事≫

今時中学生の宿題でももっと大変だよ……ッ!!

私は笑いを堪えながら、これなら済ませられそうだ、とシャーペンを走らせる。
たぶん、先生なりの生徒への気遣いなんだろう。

『アイ、英語の宿題がヤバいw』
『だろ~??ちゃんと提出するように!!』

ってか、誰かにケータイ勝手に覗かれたら絶対にヤバイな……。
あの、ケータイ小説である『教師と生徒の秘密の恋★☆』みたいな感じで誤解されてしまう。
ただでさえアイは…先生は、モテるのに。
頭の中に響く、そりゃもう可愛い女子の甘~い高~い声。

【閒センセー、超かわいいッ♪アタシ、センセーがすっごい好みだな~ぁ】
【重束センセー。あの、恋の相談…なんですけど。その人実は年上で……教師やってるんですけど~ぉ】
【センセー、彼女いるってほんと~ぉ!?】
【重束センセー実は、わからないところがあるんで2人っきりで―……】

私のフラッシュバックは一時停止し、巻き戻しする。

【センセー、彼女いるってほんと~ぉ!?】

え?
そうなの??
アイに、彼女???

私の手は、自然にケータイへと伸びていた。

『アイって、彼女いるの??』

手が震えてることに気付いたのは『彼女』と打ちかけたとき。
なんで、手が震えるの?
私って意外と独占意欲強いのかも……。

『いきなりどーした??まぁ、いないけど』
『だって、女子が噂してたよ??』
『あー。アレは、「付き合って!!」って言ってきた女子をかわす時に使った強硬手段。もちろん嘘だし♪ちょっと良心痛むけどな~(‐_‐;)』