「で。話って何なの??」


特別学習を終え、ホテルに戻った私達はロビーの前の椅子に座った。

「私じゃないよ、遥乃がその…援交してるって噂流したの」
「なんで夏波が知ってんの―……??」

ただでさえ大きな瞳を更に見開いて、遥乃が小さく肩を震わせる。
けど、それも一瞬で余裕のある、半笑いの表情に変わる。

「何?唯に聞いたわけ??」
「違うよ。ちょっと人づてに聞いたの」
「夏波に直接話すなんて随分神経図太いんだね、その人」

嘲笑するような態度を崩さずに遥乃が足を組んだ


「だから……私のこと、信じて―……??」


伝わってる?
私の気持ち、ちゃんと伝わってるのかな??


「……許す、けど。…一つ条件」
「何!?私、なんでもするよ!!」

いつも通り可愛く笑った遥乃に安堵して、私は身を乗り出す。



「私、今日河野に告るんだ。だから、ちょっと協力して?」



「え……?」



私は笑った表情のまま固まった。


遥乃、私の河野への気持ち、知ってたんだ。



なのに

告るんだ。



私の想い…知ってて―……。