「何?ついに夏波に彼氏??」
「違うよ!メル友…って、え!?」
「どうしたの?」
「いや。なんでもない……」

学校で普通メールする!?
アイ、どんだけ肝太いんだよ……。

『やっと週末だ~(-∀-;)ってか、俺の持ってるクラスの男子、サル並みに…うん。ヤバイ』

ポンッ、と頭に『サル=池村 友広』の図が浮かんだ。
……確かに。
どっちかっていうと、サル山のボスって感じだけど。

『お疲れ~。ハハハ(笑)サル並みってヒドッ!!』
『だって、修学旅行の話し合いしてる間中ずっとギャーギャー騒いでたし』

確かに。と返しそうになって、打ちかけた『た』の字をクリアする。
あぁ。
なんかやりにくい。
絶対、どっかでボロが出る。

「夏波、やけに楽しそうじゃん。男??」
「うん。年上だけどね」
「年上の男とか超いいじゃん!!理解もあるだろうしさぁ」
「付き合ってんの同学年じゃん」
「まぁ、一部例外もあるわよ」

涼しい顔をして、いわゆる『理解のない奴ら』の域から小寺を省く唯に改めて感心した。
さすが……ッ!!

「ねぇ、唯」
「何??」

私は喉まででかかった言葉をそのまま出してしまうか、呑み込むか思案する。
唯だったら大丈夫な気もするけど、やっぱり抵抗がある。

メル友の相手が実は、担任の重束 閒なんて。