この1時間は、俺のもの。



顔を上げると、シャーペンは飛んだのではなく、飛ばされて、男の手の中にあった。


「あっ、何すんの藤原!!」

器用にペンを回す藤原は、クククっと笑いながらわたしを見ていた。

「ペン返して!勉強の途中なのに!」

手を伸ばすが、うまくよけられて、私の手は空を切った。