この1時間は、俺のもの。



「流子ちゃん......」

藤原の声と顔から、笑みが消える。

私は目線をカフェラテに向けたまま、言葉を続けた。


「藤原が、藤原がどうして、ここまでしてくれるのかわかんない。
どうして、いきなりこうなってんのかわかんない。

わかんなくて、恥ずかしくて、申し訳なくて、もう、ほんと、わかんないのに、

なんか、ずっと、うれしくて......」

「流子ちゃん......」

「好きって言われた時も、嬉しいって、思っちゃった。

藤原がわたしなんかのこと、好きになるわけないし。てかそもそも、こういうデートみたいなことしてる時点でもう、わたしがバカだよね。つけあがってるよね。

わたしなんかが、こんな時間を藤原と過ごすなんて、ごめんね......」

涙が頬を伝う。それを拭おうとしてか、藤原の指が頬に触れる。

「触らないで!」

振り払おうと顔をあげた瞬間、藤原の手に捕まった。