「……んっ…」
眩しい。それが私の感想。ゆっくりと瞼を開いた。朝の緩いような、キツいような…そんな光がカーテンから漏れていた。
私、あの後ベッドに運び込まれたんだ…て事は、此所はあの喫茶店の中…じゃなくてもう王宮になったんだっけ…?
ゆっくりと頭を起こしベッドから出る。そしてカーテンを開けた。光が更に強くなる。
晴れ、か…
どれくらい時間が経ったのだろう。私はずっと窓の外を見ていた。すると、軽快なノック音と共にガチャッとドアが開いた。
「お早ぉー・・・て早っ。一体何時に起きたん?」
「あっ…お早う…」
「暗い暗いっ。もっと明るく行こーやっ。」
「…まだ火曜日……学校は…?」
「…寝起きと寝る前は会話が噛み合わへんのやな…今日は休むよ。さて、と。今日で色々やってまおっ。」
「学校休んじゃって大丈夫なの?」
「うん。ええんとちゃう?どーせ、二年後には縁の切れる世界なワケやし…まぁ俺の場合アンタがおるからえぇねんけどなっ」
…じゃぁ…どうしてそんな寂しそうな顔をするの?…やっぱり解らない…そんな事言ってもこの人間界(せかい)が好きなんじゃないの?
「…二人共、朝食の時間。」
「うわああぁっ」
「ぎょうっ」
いきなり声を出した佐藤さん。それにビクッとなる私と田辺くん。私も田辺くんみたいにもう少しまともな声をあげれば良かった…でも。凄いびっくりしたんだもん。佐藤さん、何時の間に其処に居たんだろう?
「…そんなに驚く事じゃない。」
それがまた何故か楽しくて三人で笑っていた。楽しい。こんな日、ずっと続いたら良いのになぁ…
いつの間にかそう思っている自分がいた。