「…地下牢ってやっぱり行けない、よね?」
佐藤さんの眉根がクッと上がった。
「…それ、解ってて言ってる?そんな危険なこと、できないよ。お嬢様の記憶が戻っていることを知ったら反逆者は黙ってないことくらい解らない?」
「解る…ロイに伝えてくれる?手紙書くから。」
「…その程度だったら。」
佐藤さんは仕方ないって表情に出していたけど許してくれた。



「どうしたんだよ。何か用か?」
突然、俺の前にフロリナの執事が現れた。あれから何年も放ったらかしのフロリナ。助けにくるって言ってくれたのに裏切ったフロリナ…大嫌いなフロリナ。でも心のどこかではまだ好きなフロリナ。
「…お嬢様から手紙を預かった。」
そう言って手紙を差し出した。
「…どうしても伝えたいそうだ。」
伝えたい?フロリナが?
手紙を受け取る。それだけで執事は去って行った。俺は封を開けた。