それから、勉強に明け暮れ、
やっとの思いでこの学校に入学
することができた。
そうやって今までのことを振り返り
ながら入学式が始まるのを待つ。
期待と不安が混じり合い、
さらに緊張が膨らむ。
入学式の行なわれるホールには、
もうたくさんの人が入ってた。
私の周りの席を少しずつ
埋まっていった。
広大なホールでは、自分の小ささが
より強調される。
そのせいかな?足の上で握った手には汗がにじんでいた。
電気は暗くされていて、その中に
話し声やかすかな寝息があった。
…うん、私も眠たいです…。
昨日、緊張で寝れなかったせいで
目が少しうつらうつらしてきた時、
突然、ホール前方にある舞台の
ライトが明るくなる。
それを合図に周りの音も消え、
ホールには緊張の空気が張り詰めていた。
コツン、コツンという足音が聞こえ、
舞台に一人の男性が現れた。