雲が一つもない青空はまさに
快晴という言葉がぴったり。
散々と照りつける日光は私には
やけに眩しく感じる…。
一人で歩きながら私は心の中で
ぶつぶつと呟いていた。
形のない不安を紛らわすように。
…これじゃいつもと同じだ…。
可愛い制服を着て、腰にかかるほど
だった髪を切ってみても、中身は
相変わらず…。
自分の靴音を聞いていると、
どこからか情けなさが込み上げる。
…こんなことでこれから一人で
大丈夫かな…?
せっかく、待ちに待った入学式だと
言うのに…。
そんなことを思いながら、
一つため息をこぼした。
学校に近づくにつれて、鼓動が
はやまる。
それと同時に、辺りに私と同じ
制服の人が一人、また一人と
増えてくる。
そして……、私とはまるで正反対の
煌びやかな桜を背にして高校の門を
くぐったのだった。