「こーころちゃん、おはよう」 そーっと病室のドアを開けると、 ベットの上にうずくまる小さな女の子。 膝に顔をうずめて泣いていた。 「ちょ、こころちゃん。どうしたの?」 寄っていきベットの淵に腰掛けて、 こころちゃんを抱っこして自分の上に乗せる。 やっぱり子供は小さくてそっと扱ってしまう。 「ふぇ……えーん…おーきな注射が……こころをおっかけてくるの…!」 そう叫ぶとさらに大きな声で泣き出した。 大きな注射が追いかけてくる夢を見るくらい、こころちゃんは注射が嫌いなのだろう。