彼女の名前は神田沙衣(かんだ さえ) というらしい。 年は俺よりみっつ下。 優苗と同じ……いや、優苗よりふたつ年下だ。 彼女を送って車からおろすとき。 つい彼女を呼び止めてしまった。 「あの……番号交換しませんか?」 我ながらなんて聞き方だと思う。 だけど彼女は笑って俺と番号を交換してくれた。 この日思い出した忘れかけていた気持ち。 ちょっと頑張ってみよう、と思った。