真っ白なお米に、
綺麗な形のままのお魚。


入院食はそんなに美味しくないけれど、
美結ちゃんの場合は特に制限もないからそこまで味は薄くない。



「一晩食べなくて大丈夫かな…」


「ちょっと心配ですよね」



とりあえずトレーは戻してもらって、
お腹が空いたようだったらおにぎりをあげるという話に落ち着いた。


………でも初めての夜で心配だから。


白衣のポケットから、ついこの間大地と色違いで買ったケータイを取り出して電話をかけた。



「あ………もしもし大地?」



『うん、どうかした?』



「今日帰れそうもないからひとりで帰って貰っていい?」



『え、まだ昼のこと怒ってんの?』



あんな話をしたからそうなるよね……



「違う違う、ちょっと気になる子がいるから今日は泊まろうと思って」