「酔い止め飲んだ?」 「飲んだっ!」 勢い良く返事をしたわたしを見て、 小さく笑った大地。 「なんだか遠足に行く前の小学生みたい」 「…そんなことないもん」 お気に入りの赤いリュックサックを背負って帽子を被っている自分の姿を玄関に掛けてある鏡に写しながら、 ちょっと小さな声でそう言うと、 後ろから軽く頭に置かれた手。 「大丈夫、可愛いよ」 「それもあんまり言わないでっ」 大地はすぐに可愛い、とか綺麗とか言うから。 大地との付き合いはかなり長いけど、 未だに慣れなくて照れてしまう。