「本当にごめん、爆睡してた」



「やだ……」



爆睡してたことくらい分かってる。

だってわたしは2時間も前から起こし続けていたんだから。



「……ごめん優苗、約束してたのに」



大地の申し訳なさそうな顔を見たら許してしまいそうになったから、
ぷいと顔を背けた。


………絶対に許さないんだから。



「今からでも行けるからさ、な?」



その言葉にムカついて、
枕を思い切り投げた。



「ってえ……」



だけど今回は大地も自分が悪いと思っているのか、文句も言わずに枕を抱きとめた。



「………泣くなよ」